卵子凍結保存してまで欲しいキャリア?
自分の人生プランの一つとしての卵子凍結保存
というと、そんなことしてまでキャリア欲しい人たちがいるの?というコメントをよく。わかる。鉄の女かよ、って。
単純に自分のキャリアのためだけに最新の技術を乱用し、結果的に社会的モラルをさげてしまうのではないか。
ニュースや論文でも言われている一つの批判である。
でも語弊がある。”そんなことまでしてキャリアを追求”するために選んでる訳じゃないんじゃないかと思う。
確かに、ガン治療の一環でやむなく卵子凍結保存をする女性と比べると、ライフスタイルのために凍結しようというのは些か生殖倫理的に物議をかもす感じ。
”あの人、そこまでして何がしたいの、、”とか言われそうなやつ。
でも現時点において卵子凍結している女性の平均年齢は約38歳
たとえ”健康”な女性にとっても、卵子保存は自分のキャリアをコントロールするための単純な手段ではなく「緊急事態」、「最後のとりで」なのであるのだという。
例えばある調査によると、卵子凍結保存をした90%以上の女性が 「自然妊娠によって子供を産むのが最も理想(だったけどもう無理なんだもん)」と回答している。と同時に、彼女たちのほとんどが「パートナーがいない」ことを理由としてあげているのだ。
つまり、”あ、あれ?これ、このままいくと私全然適齢期に子供産めないフラグ?”
が立った時に、多くの女性は卵子凍結保存を考える、ということみたいだ。
それも皮肉なことにこの結果は彼女たちにとって「こんなつもりじゃなかった」の集大成だったりする。もうちょっと仕事頑張ってみよ、25歳の結婚は少し早いよね、、まあまだ出会いあるでしょ?
まさに私であり、多くの友人であり、東京たられば娘を読んで震えている全ての女性にあり得る結果にも関わらず、世界共通でこれは「そんなん言うても実際自分には起こらないはず」という根拠のない自信が女性を守っているのだと思う。
一般的に最も子育てに適した年齢は25−35歳。でもこの”理想”の期間に結婚と出産をするための準備期間が昔より少ない。短大と4年生大学でも2年差があるし、医学部や法学部はもっと長い。社会的変化に人間の生物学的変化が伴っていない。
もし誰かが、自分の人生プラン、キャリアのために卵子凍結するなんて自己中だ!というのであれば、彼女たちが勉強や仕事に費やしてきた努力を否定し、間接的に、女性は旦那を探し、”ちょうどいい”期間に子供を産めるよう集中しとけ、と言っているようなものではないのだろうか。
下手したら小学校高学年から続いてきた受験戦争や不景気ななかでの就活戦線を勝ち抜いてきたのに、そんな早々に戦線離脱したくない。これ本当によく聞く。
その気持ちに男女差はないし、人それぞれでいい。そう思う人が、男女問わず頑張りたいだけ頑張れるためのサポートを社会ができたらいいなと個人的には思う。
少なからず、今の所においては、自分の人生のタイミングと肉体的なリミットのギャップをうめる打開策として卵子保存という選択をしている、と言っていいと思う。卵子保存したいって言ってる女性がいても頭ごなしに否定しないで。