Egg freezing?

元OL、独身アラサー、社会人類学専攻大院生が卵子凍結保存を本気で考えるブログ

卵子凍結保存系女子?

私肉食系に見られるけど案外ウサギ系女子です。好きなタイプは〜、、あれ案外雑食系かもっ

 

もしこんな自己紹介している女の子がいたら、お前誰やねん、と言いたくなる。

 

日本人は得てして自分を何かのカテゴリーに入れるのが好きで、それは自我がないからだ、と日本研究の人類学ではよく言われている。

血液型占いに始まり、山ガールにロールキャベツ系男子にアスパラベーコン。

 

アラサー、という言葉もそのうちの一つであるとおもう。2006年頃からアラサーという言葉が ”アラサー”女性にとって、俄かに気になる言葉になってきたと思う。

 

スピア・ワーフの仮説というものがある。

人間の思考は言語の影響を受ける、もしくは決定されるという仮説で、例えば我々日本人には虹は7色(もしくは11色)に見えるけど、そもそも色を表現する単語が3つしかなかったら、その人たちにとって虹は3色のものなのだ、っていう話。

この仮説自体は立証されてないけど、確かにな、と思うことはたくさんある。

 

英語には肩こりに相当する単語がない(らしい)。だから彼らはある意味、肩はこらない。でももし彼らがその首肩周辺の痛みはKatakoriっていうんやで、って知ったら、多分いきなり”肩がこり”はじめる。

 

同じくして、アラサー って言葉があるから俄然27歳あたりからそわそわし出す羽目になってしまったのだけども、アメリカ人やイギリス人の友人に聞いても英語圏にはAround thirty や、これに似た年齢表現で人間はくくられてない。

 

だから(というと短絡的すぎるが)彼らは私の感覚からすればほぼ年齢は気にしていない。なんで30までに結婚して産みたいの?30超えたら何が変わるの?法律的に何かあるの?って聞かれる。

 

気のせいだよ。と。

 

あぁ。気のせい。正確には、言葉によって思考が制限されている、のかもしれないけど別にそんなのどっちでもいい。

 

自分の事なんとか系女子とか言っちゃう女子に対して冷たい視線送ってたくせに、気がつけば自分も自分のことをアラサーという枠組みのなかに自ら入れて、勝手に自分の人生プランに線引きをしてたかもしれない。勝手に、30までにはあと何年だから、、という思考になっているのかもしれない。

 

確かに10年単位で人生考える、というが、別に年齢ベースじゃなきゃいけないわけじゃない。中学、高校、大学で10年、年齢は12-22歳。社会人として10年、というなら次の区切りは32歳のはず。社会人として10年の間に何ができたか?そう考えるのは32歳の時でもいいはずのである。

 

自らの思考回路がある言葉によって制限されているかもしれないという、普通だけど忘れがちなことを念頭に置いてもう一度考えてみると、往々にして、なぜ、今、何に対してモヤモヤと苦しんでるのかが逆にわからなくなる。白痴論の「人はあらゆる自由を許された時、みずからの不可解な限定とその不自由さに気付くであろう」に見透かされてる気がしてくる。

 

なるほど確かにここから、「結局自由を自分で扱いきれず結局何かのカテゴリーを用いて自分を理解しようとしている傾向もあるのではないか。もっと自分を持ったほうがいいのではないか」的な議論にも持っていけるかもしれない。

 

でも別にそれで現在の社会のコミュニケーションがうまくいくなら正直それでいい。むしろ逆手にとって、卵子保存系女子、とかいうカテゴリーが同様に社会的に認知されて、そうゆう女性たちが変に攻撃されずに済むのであればそれでもいいんじゃないかとも思う。

 

卵子保存系女子。フリーズ系女子?

なんかフリーザみたいでかっこいいやん?

 

 

Whorf, Benjamin Lee, Language, Thought, and Reality, The MIT Press, 1956.

 

Deacon, Chris (2013) ‘All the World’s a Stage: Herbivore Boys and the Performance of Masculinity in Contemporary Japan’ in B. Steger and A.Koch (eds.) 2013, MANGA GIRL SEEKS HERBIVORE BOY: Studying Japanese Gender at Cambridge. Wien: Lit Publisher.

 

Sugiyama-Lebra, Takie (2004) The Japanese self in cultural logic. Honolulu: University of Hawai’i Press.