Egg freezing?

元OL、独身アラサー、社会人類学専攻大院生が卵子凍結保存を本気で考えるブログ

自分で勝手にバリキャリって思ってるだけなんじゃない?

バリキャリってなんなんだろう。

とりあえずググってみたけどなんとまだウィキペディアになってない。。。

 

女性の描く理想のライフプランはどんどん変わってきている。

例えば国立社会保障・人口問題研究所が出している25-34歳の独身女性の理想のキャリア調査、というデータだけを見ても、結婚したら専業主婦になりたい、という女性は1987年に34%だったのが2002年で19%まで減り、逆に家庭と仕事を両立したいという女性は50%から66%に増えている。(第12回調査) 実際に、寿退職は減り、育休制度を使って就業継続している人が増えている。(第14回調査)

まあデータはともかく、働きたいと思って働く女性が増えている。そのなかでも先頭を全力で走っている感じの彼女たちこそがバリキャリだろう。

 

バリキャリというと恋愛も何もかもさしおいてキャリア優先!!!みたいな強めな印象を与えるが、そんな人は案外かなり少ないのではないかと思う。むしろ家庭と仕事のバランスとか、そういうのをとっても悩んでいる。

 

これに対して色々な見方を考えていきたいのだが、

今回は一つ目として敢えて「バリキャリ勘違い説」を紹介したい。

 

「日本の女性の願望、とくに中流階級以上の女性の理想というのは、旅行やドラマ、インターネットを通して強く海外の影響を受けている。それによって、彼女たちは欧米男性のような、女性にもより対等な責任と機会がありつつ、それでいてセクシーでロマンチックな、そんなものが見えてきてしまった。」Schoppa, L. J. (2006). Race for the exits: the unraveling of Japan's system of social protection. Ithaca, N.Y. ; London, Cornell University Press.

 

ビクッ!!Σ(・ω・;|||

 

「現在の日本の女性は別に単純にもっとキャリアが欲しいとか、いい給料が欲しいわけではない。彼女たちが欲しいのは、もっと平等なパートナーシップに基づいたもっとロマンチックな結婚が欲しいのだ。彼女たちが欲しいのは、一緒に家事をしてくれて、子供の面倒を見てくれる旦那だ。母親の世代のように、自分たちの人生を家事と育児に費やしたいわけではなく、むしろ旅行いったり、お買い物したり、自分のためにお金と時間を使いたいのだ。」(同上)

 

 

Σ(゚Д゚)!!!?

 

働く女性が増えたのは教育や仕事機会の拡大と国際化が進んで、所謂バリキャリが増えた、というのが社会学的な見解だとするならば、人類学的にみると、欧米の影響を受けたのは女性のキャリア思考ではなく、彼女たちの”理想の男性像”が変わった、のだという見解である。

 

単純に仕事を本気でしたい、自分の能力を活かしたい、とかではなくて、”家事と育児だけなんてやだ、私たちだってやりたいことやりたいし、家事とか手伝ってよ、今時、料理も育児も手伝うのがメインストリームでしょ?私だって働いているんだし!あ、でも自分の稼いだお金は自分のために使いたいの、だって大黒柱はあなたでしょ?”という都合のいい欧米化と、都合のいい古き良き日本の考えかたのコンビネーションの出来上がりである。

 

もしこれを仮定として考えると、先に言及したデータの裏側に隠されてる「第一子出産のタイミングで退職、という人が増えている」というデータも納得がいく。女性の管理職の割合が低いのもなんとなく納得がいく。働く女性はチャンスがあればどんどん活躍したいと思っている、という前提で企業が制度を整えてもいまいち効果が出ないわけだ。

 

 私は総合職やトレーダーとして頑張っていてキャリアと結婚に悩む友人に、「いや、まじ、仕事大事とか、それ勘違いだから。」とかそういうことを言いたいわけではない。

 

むしろ、こうゆう考え方で見てみれば少しは気が楽になるのではないか?と思うのだ。

頑張る女性たちは責任感が強い。今やってるプロジェクトが終わらないと!とか、こんなにいい環境を与えてくれているこの職場と上司にまじ感謝!みたいなアツいやつが多い。だから、だんだん自分の脳内における仕事のポーションが大きくなり、女性総合職としてのプライドもできてきて、結婚や出産も気にはなるものの20台後半で精神的に動きが取れなくなっている。一般職いいよねー、とか皮肉に言いつつ、わたしたちは今それやると、逃げというか負けだよね、って話をする。

 

知らぬ間に自分でバリキャリの認識を強め、自分にプレッシャーかけていないか? 

 私たちの世代はアベノミクスの対象で、過渡期で、いろんなプレッシャーが前線のキャリアウーマンたちには降りかかっている。女性の活躍推進だ、と。世間からの期待と自分の意思がいつの間にか、交錯していないか? 自我が、「M商事の田中主任」である自分に完全に支配されてしないか?

 

でも、しんどくなったら、たまには少し一歩ひいて、

”どうしたいんだっけ?”と堂々と、ゆったりと、考えてもいいのじゃないか、と思う。

いい意味で、バリキャリは気のせいだ!と思うのもアリだともう。家庭と仕事のバランスで仕事を優先しなきゃいけない、と思いすぎなくてもいいんじゃないのかなって。

 

 

Schoppa, L. J. (2006). Race for the exits: the unraveling of Japan's system of social protection. Ithaca, N.Y. ; London, Cornell University Press.

http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou12_s/single12.pdf

http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou14/doukou14.pdf