Egg freezing?

元OL、独身アラサー、社会人類学専攻大院生が卵子凍結保存を本気で考えるブログ

不妊の理由は、旦那が一人っ子だから説!?

タタタタタタタタタタータッ!

ほんまでっか!?TV の挿入歌が聞こえてきそう。

 

先日オックスフォード大学で薬理学博士をやってる友人とご飯を食べていたときに教えてもらったこの話。

その時は酔っ払ってたから爆笑して終わったものの、冷静になったらやっぱり気になって3日くらいして友人に確認のメールするという。

わたしの記憶ではかなり衝撃的なのだけど、気のせいかね?と。笑

 

More brothers could mean faster sperm and better fertility - News releases - News - The University of Sheffield

これが2012年12月の記事であることからもわかるように、彼の分野の中では割と当然のことのように認識していたみたいで、驚く私に驚く。

 記事によると

Men with more brothers than sisters may have faster swimming sperm and are more likely to have increased fertility according to new research carried out by experts from the University of Sheffield.

女兄弟がいる男性より男兄弟が多い男性のほうが、精子が強く(はやく泳ぎ)、より妊娠率が高い可能性がある(シェフィールド大学の研究)

 

アメリカにあるブラウン大学と、イギリスのシェフィールド大学の共同研究によって、精子の泳ぐスピードと、その男性が何人兄弟がいるか、の相関関係を発見したのだという。アジア男性病学会( the Asian Journal of Andrology) のジャーナルに報告されている。

実際にどんな研究がされたかというとですね、不妊調査の一環として500人の被験者の精子を、高性能テクノロジーを使って正確にその泳ぐ速度を測り、何人兄弟もしくは姉妹が家族にいるかの関係性をみていったようです。シェフィールド大学、男性病学 シニアレクチャラーのDr. Allan Paceyによると

“The results are very surprising and could provide genetic insights into why some men are more fertile than others but at the moment have no clinical relevance to how we might manage and treat male infertility. It does, however, give food for thought about the importance of genetics for sperm motility and may open the way to more studies in this area.”

この結果は非常に興味深く、なぜある男性が他の男性より繁殖力が強いのか、ということについての遺伝子的考察になりうる。現時点では男性不妊をどう扱うかについての医学的妥当性がないが、精子の可動性に関する遺伝子的重要性を考えるにあたっての参考になり、今後この分野に貢献するであろう。

 と。

研究員もびっくりだったということだが、注意しなければいけないのは、これは決して兄弟の数が直接的に精子に影響があるわけではなく、あくまで相関関係が確認された、ということであり、今後、どのように精子の速度が違うのか、という研究における一つの洞察となりうる、ということです。

シェフィールドでの研究中にデータを集め、研究の舵をとったブラウン大学の博士研究員 Dr.Jim Mossmanによると 

“This is certainly not a smoking gun as a reason for infertility in men. However, it would be interesting to test whether the same relationships are observed in other human populations as well as in other species. Likewise, would we observe similar associations when looking at female fertility? If the relationship between sex-bias in the number of children and fertility is a more universal phenomenon, then we may expect female fertility to follow a similar pattern, albeit in the opposite direction.”

これは決して、男性の不妊原因の動かぬ証拠というものではない。しかし、同じような関連性が確認出来るかを、他の地域や人種で調べてみるのは面白いだろう。また同様に、もし女性の出産能力をみたときに同じような結果がでるのだろうか?もし、性差における子供の数と妊娠力の関連性がより普遍的なものだとしたら、類似したパターンが確認が想定できるだろう。

前向きでいらっしゃる。ちょっとまた時間あるときに彼は追いかけてみたいとおもいます。

シェフィールド大学、進化遺伝学(Evolutionary Genetics)のJon Slate教授によると、

“If our results can be replicated we think it provides some evidence that humans have experienced what evolutionary biologists like to call ‘sexual conflict’. The idea behind this is that genes that make males reproductively successful make females reproductively unsuccessful and vice versa.”

もしこの結果が検証されれば、これは進化生物学者が唱える”性的対立/セクシャルコンフリクト”が実際に起きているというひとつの証明になる。これは、男性を繁殖という意味で可能にしている遺伝子は、女性の生殖障害を引き起こしている、またその逆もしかり、という背景に基づいている。

 

ということでね。教授はちょっとなんや難しめでよくわかりませんけど、とりあえずこれはこの分野のひとたちのなかでも、WOW!みたいな感じだったんですね。

 

記事にも書かれているように、これはあくまで相関関係が見つかったというだけで、男兄弟の多い男性を選びましょうとか、子供できないのは彼が女家系だからだとかそういう話ではないんだけど。最近広まってきているけど不妊の原因の半分は男性にもあるということと、結構驚いたもんで、こんな情報も追加しておこうかと。

 

私は友人たちと、このネタで不妊に対する認識から、性教育から、親子の関係性から、とがっつり盛り上がったけど(その気持ち悪さが大学院生のいいところだと私は思ってる)、通常はもはや飲み会か合コンのネタくらいにしかならないかもしれない。いや、今こんな話を飲み会でしたらセクハラになるのかもしれないけど。友達が研究してて、と枕詞をつけていただければ、大丈夫なんじゃないかと思います。どうぞお使いください。好きな相手の兄弟の数が分かって、話が広がるかもしれません。それで十分です。

 

 

そんなこと考えてたらネットでこんなものが流れてきました。 テクノロジーの発展は目まぐるしいですな。

gunosy.com

 

自分の分野の勉強をしていても、なぬ!!という事はよくあるけど全然違う分野の人と話すのは本当に楽しい。自分の知識の足りなさにもはや感謝。

この前Oxfordいたらトムクルーズが撮影してた。

f:id:eggfreezing:20160418044836j:plain

 

f:id:eggfreezing:20160418044258j:plain